大学入学や就職など、地元から離れたときに触れることも多い方言。方言がほとんどない地域の人からしたら、方言ってインパクトがあって羨ましいですよね。また、コミュニケーションを円滑にするためにも方言を翻訳し、理解したいという方も多いはず。ネイティブな方言を習得して、「羨ましい」から「羨ましがられる」に進化しちゃおう!
方言の定義とは?
方言とは、共通語とは違い、ある特定の地域だけで使用されている言葉のことを指しています。
生まれた地域、住んでいる地域によっては、日頃から使っているという人も少なくありません。
それゆえ方言がどのように生まれ、どんな種類があり、どこで区分されているのかあまり考えたことはないのではないでしょうか?
方言が生まれたきっかけ
都から地方への伝播
昔、新しい言葉は主に都で生まれていました。
そこで生まれた新しい言葉が地方に広まり、都では使われなくなったにもかかわらず使われ続けるようになり、方言として定着したと言われています。
昔は今のように交通の便が良くなかったため、都市と都市の移動には相当な時間がかかりました。
そのため、距離に応じて到達までの時間に差が生まれ、方言として現れたのです。
その間にも都では新しい言葉が生まれ続けるため、方言は都を中心に同心円状に広がりました。
地域での独自発展
前述のように、交通の便が良くなかった当時は、それぞれの地域が1つの「くに」でした。
ゆえに、外からの情報はなかなか入って来づらい状況に。
それぞれの地域で独自につくり上げられた言葉は、その地域内だけに広まって発展し、結果として「くに」ごとに異なる言葉が存在するようになったのです。
昔は今のようにテレビやラジオなどの情報ツールがなかったため、限られた範囲にだけ通用する言葉が生まれやすかったというわけなんです。
方言の種類
では、方言は具体的にどのように分類されているのでしょうか?
都道府県、昔の「くに」、川や山など分かれ方は様々なため、厳密に区切ることは難しいですが、分類する際には主に、国語学者の東条操氏による『言語区画案(1953年)』が用いられます。
この分け方に従うと、日本の方言は大きく分けて2つ「本土方言」と「琉球方言」に分類されます。
これをさらに細かく分けると「東部方言」「西部方言」「九州方言」「琉球方言」の4つに分類され、最終的に日本の方言は下記の16種類に分類されます!
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- 東部方言
北海道方言 / 東北方言(新潟県北部を含む) / 関東方言 東海東山方言(新潟、長野、岐阜、山梨、静岡、愛知) / 八丈島方言
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- 西部方言
北陸方言(富山、石川、福井北部) / 近畿方言(福井南部を含む) / 中国方言(出雲・伯耆以外の中国5県、兵庫、京都日本海沿岸部) / 出伯方言 / 四国方言
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- 九州方言
肥筑方言(長崎、佐賀、福岡、熊本) / 豊日方言(大分、宮崎、福岡南部) / 薩隅方言(鹿児島、宮崎都城周辺)
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- 琉球方言
奄美方言 / 沖縄方言 / 先島方言
方言と訛りの違い
「方言強いね」や「訛ってるね」など、方言と訛りは同じようなニュアンスで使われることが多いですよね?
ですが実は、方言と訛りはニュアンスが少し異なります。
方言
最初にお伝えした通り、方言とは、共通語に対してある特定の地域だけで使用されている言葉を指します。
一つの言葉が地域によって別々に発達した結果、アクセントや言い方に違いが生まれました。
訛り
訛りは、共通語と比べて地域特有のアクセントやイントネーション、発声法を示します。
例えば、標準語で「雨」は「高低」のアクセントを置くのに対し、関西弁では「低高」に置く。
こういったアクセントの違いは、訛りに分類されます!
「共通語だと思っていたら実は方言だった!?」特集
小さい頃から使っている言葉が方言か、そうではないかって、意外と分からなかったりしますよね。
あなたが共通語だと思って普通に使っている言葉、それって実は方言だったりして……!?
そこで意外な方言をクスッと笑えるエピソードと共にご紹介します!
【北海道・東北編】
「こわい」
疲れたり体がだるかったりする時に使う、「こわい」ですが、北海道では「疲れた」を意味します。
「なんかこわいなあ。」と言ったら、「何が怖いの?」と聞き返されてしまった経験がある北海道民も多いのでは?
「でかす」
「〇時までに仕事でかすわ」や「レポートでかした」のように用いられ、「仕上げる・終わらせる」を意味します。
標準語では、「上出来」や「上手くいった」を意味するため、「上手くいかすって自ら宣言してハードル上げるなんて凄いな。意識高……」などと勘違いされてしまっていることもあるかも!?
「だから!」
「同意」を意味する「だから」。
「ランチしない?」と聞いて、「だから!」と言われたら、「もしかして、行きたくない?けどテンションは行きたそう……。え、どっち!?」なんて困惑してしまう人も多いかも。
【北陸編】
「あたる」
「もらう・配られる」を意味します。
学校で友達に「プリント、あたった?」と聞いて、キョトン顔されてしまったなんて経験がある方も多いはず。
大学で「良かった、単位当たったぞー!」と言っている友人を見て、「え…! 単位って抽選で当たるものなの?!」と本気で心配したなんて声も(笑)
「がんこ」
「凄く、とても」のように強調するときに使う言葉。
標準語では、「頑な」や「意地っ張り」を意味するため、例えば、「昨日、自転車でディズニーまで行ってきたわ!」と言って「がんこな!」と言われたら、「意地張ってやったわけじゃないんだけどな……。え、ダメなことした?」なんてびっくりしてしまいますよね。
「コケ」
標準語でいう「苔」ではなく、金沢弁でいう「コケ」は「きのこ」のこと。
金沢出身の友人に、「夕飯鍋にするから、コケたくさん買ってきたわ」と言われて、「金沢では鍋にそんなもの入れるの!?」とびっくりしたなんて体験談もあるようです(笑)
【関東甲信越編】
「かじる」
甲信越で広く用いられ、「掻く」を意味します。
一方、標準語では「硬いものを歯で噛む」というニュアンスで用いられますよね。
標準語圏の人からしたら、「蚊に刺されてかじったら血が出ちゃった」なんて言われたら「え……?そりゃかじったら血も出るよ……」ってビックリしちゃいますよね。
「かたす」
「片づける」を意味します。
これって標準語じゃないの?と思う方も多いかと思いますが、実はこれって関東圏の方言なんです。
「部屋かたしたの?」なんて母親に睨まれた経験、みなさんも一度はあるはず…..。
「そろっと」
新潟などで用いられ、「そろそろ」を意味します。
食事終わりなどで友人に、「そろっと行こう」と言われたら、「え?スロット行くの?(この子スロットやる子だったっけ…?)」なんて勘違いしてしまいそうですよね。
【中部編】
「つる」
「持ち上げる」を意味します。
「そっち側つって」と言われたら、「そっち側持ち上げて」を意味するということですね。
使う機会が多そうなので、知っておきたいところです!
「えらい」
気だるい時や疲れた時に用いられ、「しんどい」を意味します。
標準語では「優れた」「偉大な」といった意味で用いられるため、「カラダえらいわー」と言うと、「ん? 体褒めてあげるんだ、独特だなぁ」なんて思われてしまうかもしれませんね。
「じょんじょん」
主に静岡で用いられ、「子供用の外履き」を意味します。
引っ越し先で「じょんじょん持ってくるの忘れた!」と言って、「え、なんだそれ?Jhon?誰?」とキョトン顔されてしまったなんて経験がある静岡県人も多いのではないでしょうか。
【関西編】
「ほる」
「捨てる」を意味しています。
関西弁出身でない方で、「これ、ほっといて」と言われてほっておいたら(放置したら)、「ほっといてっていったじゃん!」なんて怒られた経験がある方もいるのでは。
「テレコ」
「互い違い、入れ違い」を意味します。
「あんたのシャツ、テレコちゃう?」と教えてあげたのに、ブランドかなにかと勘違いされて、「違います、ユニクロです」なんて会話が噛み合わなかった経験がある方もいるのでは?
「モータープール」
プールのこと?なんて思った方も多いと思いますが、「駐車場」を意味します。
TVの影響で広まった言葉で、関西圏に行くと「モータープール」の看板を目にすることも多いようです。
【中国・四国編】
「まける」
水などの液体がこぼれた際に「水がまけた」のように用い、「こぼれる、溢れる」を意味します。
標準語でも、「捲く」という言葉は使いますが、その意味だと「まける」は「まくことができる」となってしまうのです。
だから、「水がまけちゃった!」は「まくことができた!」という楽観的状況ではなく、緊急事態を言っているので要注意です。
「だらず」
主に鳥取で用いられ、「馬鹿者、愚か者」を意味します。
鳥取出身の方に「だらずが!」と言われたら、怒られているかイラつかれている時なので、間違ってもヘラヘラしないように注意しましょう!
「あつい」
主に中国地方で用いられ、「痛い」を意味します。
「肩あついなー」と言われたら、「暑いなら上着脱げば?」なんて言うのではなくて、「肩揉んであげようか?」と返答するのが正解ですね!気が利くことをアピールできちゃうかも。
【九州・沖縄編】
「からう」
リュックやランドセルなどを「背負う」を意味します。
子供のころからおなじみの表現であるため、方言だと理解していない人も多いようです!
「せまい」
主に沖縄で用いられ、服がきつくなったり小さくなったりしたときに、「服がせまい」というように使います。
ほとんど沖縄でしか使われないようなので、「このサイズじゃせまいわ」と言っても通じなかった経験がある方も多いのではないでしょうか。
「なおす」
「片づける」を意味します。
標準語では、「治療する」や「修理する」といった意味で用いるため、圏外の人に「この本なおしといて」と言っても、「本ってどうやって直せっていうんだ……」なんて困惑されてしまう可能性も。
また、「なおす」は、関西圏でも用いられるようです。
方言が必要になるシーンとは?
独特な語尾や発音で、かわいらしい印象やおもしろい印象など、インパクトが残りやすい方言。
では、実際に方言が必要になるのは、どのようなシーンなのでしょうか?
入学・入社/転校・転勤
大学入学や入社の際、生活拠点を地方や大都市に移動させること、ありますよね。
転勤や、それによる子供の転校も同様です。
出身は東京なのに、親が転勤族だったから関西弁も喋れますなんて方も多くいらっしゃいます。
大人になってからでも、ある程度の期間が経過すると、移り住んだ地域の言葉が自然に出るようになることも多いようです。
上司や同僚と距離を縮めるには、方言を習得しているほうが得かもしれませんね。
作品制作
舞台やドラマ、映画などの作成の際、台詞として現地の自然な言葉が必要になることがあります。
標準語を話す俳優さんでも、地方を舞台にした作品などでは、見事に現地の自然な言葉遣いをしていますよね。
実は、役者一人一人が、方言指導の先生から指導を受けていることが多いんです。
つまり、視聴者に作品に見入ってもらうためには、より自然なネイティブ方言の習得が必須になるということです。
モテるために
「モテたい!」と思って、モテるクラスメートや同僚と比べたとき、「容姿や性格だけじゃなくて、方言があるから可愛いんだ!」という結論に至ったこと、一度はありませんか?
方言女子という言葉もあるくらいなので、やっぱり方言があるってモテるんです。
1位 福岡県
2位 京都府
3位 大阪府
4位 広島県
5位 青森県
上記の調査によると、「やわらかい物腰の響きが可愛い」「語尾が可愛い」「あざとい」など、方言にメロメロな男性が多いようです。
さらに、女性だけでなく、最近では方言男子に夢中の女性も多く、関西弁の俳優やアイドルなどの人気が上昇してきています。
話のネタとして
方言を調査していくと、広島弁の「でぶちん(おでこ)」や富山弁の「はんごろし(おはぎ)」、岐阜弁の「ケッタマシーン(自転車)」など、意外でおもしろいものがたくさんあります。
友人とのおしゃべりだけでなく、打ち上げや宴会などで意味当てクイズとして出題してみたら、盛り上がるのではないでしょうか?
また、地方から上京してきた方は、不安も大きいはずです。
打ち解けるきっかけとして、方言の話題を振ってみるのもアリかもしれません。
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自然な方言を習得したいけど、本当にこれであっているのか不安……
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方言翻訳~あなたの文章を広島弁に翻訳します 広島弁のキャラクターが必要な時、セリフを適切な言葉に直します
❹ネイティブ関西人 強めの方言声優やります
声の悪役商会!ネイティブ関西、強めの声やれます 標準語もモチロン、他方言も可、粒だつ強い声をお届け!
❺標準語⇄津軽弁⇄日常英会話に翻訳します
標準語⇄津軽弁⇄日常英会話に翻訳します 細かなニュアンスで翻訳したい方におすすめ♪
方言を知って世界を広げよう!
調べれば調べるほど、奥が深い方言。
外国に旅行に行くときに英語を勉強してから行くように、旅行に行くときにその地域の方言を少し勉強してから出発してみるといいかもしれません。
地元の方との絆を深めるためにも、方言は良いコミュニケーションツールになります。
方言を探求し、もっと日本全国の魅力を探す旅に出てみてはいかがでしょうか。