外資系企業の入社試験でよく実施されるケース面接。面接で出題される「ケース問題」や「フェルミ推定」を解くために、私が就活時代に行っていた対策や準備をご紹介します。自身の経験を織り交ぜた想定問答集も解説しているので、ぜひ実践の場で参考にしてみてはいかがでしょうか。
- ケース面接で求められていること
- ケース面接で出題される「ケース問題」「フェルミ推定」のやり方
- ケース面接を通過するための準備
目次
ケース面接で求められていること
外資系のコンサルティング会社や投資銀行などでよく行われるケース面接。
ケース面接の場において、一般的な就職試験で聞かれるような「志望動機」や「長所短所」といった質問はほとんど聞かれません。
面接の大半が「ケース問題」や「フェルミ推定」の取り組みとなっています。
こうして、今では外資系企業を受験する多くの就活生が、本などを通して「ケース問題」や「フェルミ推定」をあらかじめたくさん練習してからケース面接に臨むようになりました。
一方で、問題を解くことに集中し過ぎたあまり、「面接を通過する」という本来の目的を見失ってしまい、「ケース問題が解けるようになったはずなのに、なぜか面接に通らない」なんて現象も見受けられます。
そこで、まずは自身の外資就活経験を通して実感した「ケース面接でみられていること」を2つご紹介します。
1. 論理的思考力
ケース面接のフェルミ推定やケース問題を通してみられていること、まずは「論理的思考力」。
論理的思考力とはなにか、筆者は「要素と要素を関連づけながら、ゴールまでの筋道を立てる能力」と考えています。
あくまでも「思考力」であって頭のなかで行われている活動ですから、論理的思考力の定義を厳密に決めることは難しいでしょう。
ただ、一つ言えるのは、決して「一本道を歩くような単調な活動ではない」ということ。
ちなみに、筆者が持つ論理的思考力のイメージはもう少し複雑です。
例えるならば、頭のなかにインプットされている知識や経験、スキル同士で、無数のパスを繋ぎながら少しずつゴールを目指して前に進んでいくサッカーのようなイメージ。
実際のケース面接の場では、そんな論理的思考力を存分にアピールする「姿勢」や「表現力」などを見られていると理解しておきましょう。
2. 一緒に働きたいか
ケース面接を通して見られているのは論理的思考力だけではありません。
フェルミ推定やケース問題の回答をしながら、あるいは他の質疑応答を繰り返しながら「一緒に働きたいメンバーか」を強く見られています。
その理由は大きく2つ。
- コンサルや投資銀行IB部門は「対人でのビジネス機会」が多いから
- 人事部ではなく、実務を行う部門のヘッドが面接するから
面接官が来年以降の「直属の上司」になる可能性も非常に高いです。
相手に対する信頼感を忘れずにコミュニケーションを取ることを意識してみましょう。
ケース面接で出題されるケース問題やフェルミ推定のやり方
ケース面接の場で、多くの就活生が取り組むことになる「ケース問題」、あるいは「フェルミ推定」。
そのやり方・解き方について具体的に触れる前に、予め強調しておきたいのが、ご紹介するケース問題・フェルミ推定のやり方を、以下2つの観点から見ていただきたいということ。
- なぜその工程があるか
- なぜその順序になるか
例えば「やり方の手順は5つのステップがあって、その順番はこうです」と紹介されても、それを厳密に守ることが正しいとは限りません。
なぜならば、「論理的思考力を駆使すること」と「やり方を遵守すること」は必ずしもイコールの関係ではないから。
むしろ「なぜそのステップがこの順番に来るか」という観点で問題のやり方を見る方が、より実践の場で使えるエッセンスとして吸収できると思います。
フェルミ推定のやり方
フェルミ推定とは、「一見想像しにくい数値を論理的思考力を駆使して推定する問題」。
なお、フェルミ推定とケース問題の関係性について、筆者は「ケース問題のなかでも、数値の推定をゴールにしたものだけをフェルミ推定とする」というようなイメージを持っています。
一方で、私見ですが「そもそもフェルミ推定とケース問題の違いを厳密にすることに、さして大きな価値はない」と捉えています。
面接で求められていることは変わらず、必要な対策や準備もさして変わらないからです。
フェルミ推定は、以下の記事で詳しく解説していますので、よければご覧になってみてください。
ケース問題【1/5】前提確認
ケース問題のやり方について、ここから5つのステップでご紹介します。
まず最初に行うのが前提確認。
こちらでは、解くべき問いに対して、
- なぜその問いが生まれたか(状況や背景)
- 問いの考え方(状況に応じた条件など)
- 問いの答え方(答える対象について厳密にする)
などを数分で精査していきます。
問いの精査をすることで、解くべき問いにきちんと答えることができる可能性が上がります。そのため、与えられたケース問題に対する考え方や答え方が大きく外れてしまうのを防げます。
ケース問題【2/5】構造化
ケース問題におけるやり方の手順、2つ目は「テーマの構造化」です。
例えば、店舗の売り上げを上げる打ち手を提案するケース問題であれば、「売上を構成する要素」に分解をしたり、満員電車を減らす打ち手を提案するケース問題であれば、「満員の定義を構成する要素」に分解したりします。
何が問題なのか発見しやすくなるので、より効果的な打ち手を提案することができる可能性が上がります。
1日の店舗の売上を要素に分解してみました。
まず、売上は「客単価×客数」
次に、客単価は「平均商品単価×平均購入個数」
そして、客数は「席数×占有率/h×回転率/h×営業時間」
ゆえに、「売上=平均商品単価×平均購入個数×席数×占有率/h×回転率/h×営業時間」と落とし込むことができます。
ケース問題【3/5】ボトルネックを特定する
ケース問題は、与えられた問いに対して、何かしらの打ち手を提案する問題が多いです。
より効果的な打ち手を提案するために、先ほど構造化した要素のなかで、今回の問いに対する最もネックになっている部分を特定します。
例えば今回の問いのケースが24h営業の店舗だとしたら、売り上げの構成要素である「営業時間」を増やすという打ち手には意味がなくなってしまいます。
前提確認で、問いを精査しているはずですから、今回の問いを取り巻く状況を考えながら、ボトルネックを特定しましょう。
ケース問題【4/5】打ち手の洗い出し
ケース問題のやり方、4つ目の手順が「打ち手の洗い出し」です。
ちなみに、日系企業のGD(グループディスカッション)では、この段階からアイデアを言い合うやり方が多いかもしれません。
協調性を意識しながら、新鮮でとっぴなアイデアを出すのが、その場では良いのかもしれませんが、ケース問題では見られているポイントが違うので控えておきましょう。
構成要素のなかで、どこがボトルネックなのかを明らかにした上で、そこに効く打ち手の洗い出しとしてブレストを行います。
ケース問題【5/5】打ち手の評価
ケース問題のやり方として、最後の工程が「打ち手の評価」です。
洗い出した打ち手のなかで、どれが効果的なのか優先順位をつけることで、打ち手の提案をする質が上がります。
打ち手の評価のポイントとして、1つの参考になる指標が「効果と実現性」の2軸で整理する方法。
より効果が高く、より実現性の高い打ち手こそ良い打ち手であるという指標のなかで判断するということです。
もちろん、問いによって、効果的な評価指標は変わってきますから、状況に応じて柔軟に変えてみてはいかがでしょうか。
【外資就活経験談】実際に行っていたケース問題のおすすめ対策方法
多くの外資系企業で行われているケース面接。
ケース面接の場で出題されるフェルミ推定やケース問題は、もちろん解き方のセオリーのようなものを本や書籍を通して勉強する必要もありますが、「自分一人で解けるようになる練習」もまた必要です。
そこで、こちらでは実際に外資就活経験のある身として、フェルミ推定やケース問題が解けるようになるためにどんな対策や準備をしてきたのかご紹介します。
実際にやっていたケース面接の対策方法
書籍に書かれていた問題は、自分で解けるようになるまで練習しました。
書籍によっては、本の最後に問題の一覧が載っているようなものもありますから、その問題にチャレンジしつつ、一度解けた問題も別の解法があるかもしれないと、何度も取り組んでいました。
また、解いた思考の過程を、Google Documentで友人に共有し、思考の過程で疑問に思ったところや引っかかった部分を聞いて回っていました。
そのとき、同じような企業を目指していた友人だけでなく、全然志望業種の異なる先輩などにも声をかけました。
志望業種の異なる方からの意見は、ある種「セオリーを知らずに初見で聞いて思った素直な感想」、個人的には非常に参考になりました。
実践的に相談者を立てるのも良い
筆者が当時利用しておきたかったと思うサービスが、ココナラのビデオチャットを使った模擬面接。
やはり「問題を解くこと」と「面接でそれを表現すること」はまた別の訓練が必要ですし、私は本番の面接を繰り返すなかで、まさに「やりながら学んでいった」経験があります。
ココナラで出品されているサービスには、戦略コンサルティングご出身の方が、模擬面接を対応していただけるものもあります。
なかなか体験しづらい模擬面接、ココナラならオンラインで気軽にできるので、外資就活生にとって励みになることと思います。
こちらでは、7名のサービスをご紹介しています。
ぜひ、気になる方はチェックしてみてはいかがでしょうか。
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まとめ
フェルミ推定やケース問題を面接の場で考えて解くような経験は、就職活動をしている時期しかできないことかもしれません。
ただ、フェルミ推定やケース問題が、論理的思考力を判断する問題だけに、たくさんの練習をして身につけた論理的思考力自体は、社会で生き抜く力として頭のなかにインストールされているはず。
今している努力は決して無駄にならないと自信を持って、就職活動の準備を進めてください。