個人事業主の廃業にまつわる対応を網羅的に解説!そもそも廃業とは基本的にはデメリットの大きい行為です。だからこそ、まずは「やり切った」と言えるほどの対策が必要と考えます。こちらでは「廃業を回避する方法」、それから「速やかに廃業手続きを済ませる方法」をご紹介します。
- 廃業を検討するのはまだ早い!①資金不足②後継者不足への対策を検討しよう
- 廃業の手続きは「税務署」「都道府県税事務所」に規定の書類を提出して完了
- 廃業した年の個人事業税の納付に注意しよう
目次
廃業はまだ早い!状況に応じた回避策を取ろう
廃業とは、自分で始めた個人事業を自ら畳むこと。
だからこそ、「打てる手はやり切った」といえるほどの対策をしたあとに廃業することが、むしろ最善の選択と筆者は考えます。
そこで、まずは廃業の方法ではなく、「廃業を避ける方法」についてご紹介。
廃業を検討しがちな、よくある2つのケースを挙げていきます。
資金不足
よくあるケースの一つ目が資金不足。
そもそも、個人事業主の方は金融機関などからお金を借りて運営をしていることも多いです。
個人事業主は、法人と同じく一定の信用が法的に担保されていますから、自己資金だけでは足りない店舗型の実業などを始める際にお金を借りることができます。
とはいえ、個人事業主の多くは、基本的には年商が1,000万円以下の比較的小規模ビジネス。
現実的な返済を考えると大きな借入も難しいです。
すると、お金が足りないからと言って、どんどん赤字を掘るのは勇気がいること。
耐えきれなくなってしまったタイミングで、「廃業して少し手元にお金が残るなら」と廃業してしまう方が多いようです。
あらゆる手を尽くしても資金不足なのであれば、廃業は避けられないかと思います。
しかし、きちんと考えてみれば、もしかしたらまだ出来ることがあるかもしれません。
下記のアクションプランを参考に、検討してみてはいかがでしょうか。
お金の流れを正確に捉える
まずは、お金の流れを正確に捉えることが必要。
そして、ボトルネック(利益を圧迫している要素)を特定します。
これは、「売上ー費用=利益」のような3要素を、更にブレイクダウンすることで可能。
例えば、「売上=客数 × 単価」で成り立っていますよね。
更に、例えば店舗の飲食店経営であれば、客数を更に要素に切り分けることもできます。
客数=席数×1hあたりの占有率×1hあたりの回転率×営業時間(時間)
こうすると、
- 「18:00-22:00の占有率が低い」
- 「12:00-16:00の回転率が悪い」
などのボトルネックを発見することができるはずです。
コストカットをしてみる
先ほどの「売上ー費用=利益」の構図でいうと、一般的に売上を伸ばそうとするよりも費用を削る方が利益は上がりやすくなります。
なぜならば、売上を増やすために費用がかかってしまうことも多く、かつ実際に売上が伸びるかどうか確実ではないからです。
理屈上は「座れる席を増やせば客はもっとくるのではないか」といったことを想像することもできますが、改築費用がかかるだけでなく、結果として占有率が下がって客数が変わらないなんてことも容易に想像できますよね。
その点、コストカットは確実です。
例えば、何か仕事で使う道具を一つ低級なものに変えるなど、現状のサービスクオリティをなるべく落とさない配慮をしつつ、コストカットをすることはきっとできるはず。
一度検討してみてはいかがでしょうか。
お金のことで相談事があれば何でも税理士に相談
お金に関する相談先として、士業だけでなくココナラというプラットフォームを利用してみてはいかがでしょうか。
ココナラでは、オンラインかつマンツーマンで気軽にご相談できます。
特に、こちらの方は税理士で、資金繰りなどの実績も評価も高いので安心できます。
経理、税金や資金繰りなどのご質問に税理士が答えます 個人事業主、フリーランス、副業家らのご質問&ご相談大歓迎です
後継者不足
よくあるケースのふたつ目が後継者不足。
日本は少子高齢化社会、後継者がいない・見つけづらいのはさして珍しいことではありません。
例えば、子供がいない、あるいは子供が事業を継ぐ気がない、子供以外に信頼して任せられる後継者がいない、などの問題を抱えている事業者の方も多いのではないでしょうか。
そうは言っても、 「後継ぎが見つからない、しかし自分で作った事業を畳みたくない」 「今いる従業員を、自分が亡くなった後も守りたい」 このように、強い思いで始め、続けてきた事業を廃業してしまうのは悲しいこと。
そこで、事業を継承するためにM&A(企業の合併・買収)を検討してみるのはいかがでしょうか。
M&Aをすると、雇用を守ることができますし、場合によっては売却益を獲得することもできます。
ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
まずは事業価値を査定してみよう
M&Aを検討する前にまずは、事業価値を査定してみましょう。
事業価値の査定は、ビジネスモデルだけでなく、総務や経理など、あらゆる観点で調査を行うプロフェッショナル業務。
自分では判断しづらいことも多く、とはいえそれをせずに事業売却を行ってしまうと、買収側に有利に交渉が進んでしまうことも。
こちらの方は、外資系コンサルティングファームご出身の方で、M&Aを円滑に進めるお手伝いだけでなく、事業価値を高めるアドバイスもしてくださいます。
あなたの事業・会社の価値、しっかり査定します 売却評価額を上げるためのアドバイスも可能です。
廃業の手続き|提出書類や注意点を知ろう
止むを得ず廃業することになった方は、速やかに手続きをすると、新しいスタートを早く切ることができます。
廃業するには、いくつかの書類を提出することでOK。
こちらでは、提出先ごとに、提出書類をまとめました。
税務署に提出する書類
- 個人事業の開業・廃業等届出書
- 所得税の青色申告の取りやめ届出書(青色申告者に限る)
- 事業廃止届出書
- 給与支払い事務所の開設・移転・廃止届出書の提出
- 予定納税額の減額申請書
持ち物が必要な書類として、個人事業の開業・廃業等届出書があります。
こちら、「控え」と「写真付きのマイナンバーカード」が必要です。
もし、写真付きのマイナンバーカードを持っていない場合は、マイナンバーカードに加えて「免許証」や「パスポート」を用意しましょう。
▼参考リンク
都道府県税事務所に提出する書類
- 事業開始(廃止)等申請書(東京都における名称)
税務署だけでなく、都道府県管轄の税事務所にも書類を提出しましょう。
こちら、注意が必要な点として、都道府県管轄による書類なので書類の名称がそれぞれ異なる場合があります。
確かにややこしいのですが、開業する際に、「開業届」と「事業開始等申請書」を提出したはず。
それと同じ紙を取得して、開業ではなく「廃業」にチェックをつけて記入を進めるだけなので、開業に比べて困ることは少ないでしょう。
廃業する際の注意点など補足事項
個人事業税の申告を忘れずに
個人事業主を廃業するということは確定申告をしなくなるということ。
そこで、確定申告をしていた頃は気にする必要のなかった「個人事業税」を、廃業した年だけ申告する必要があります。
こちら、各都道府県の税事務所に問い合わせて手続きを済ませましょう。
廃業後の事業関連費用を経費にしよう
事業を畳んだあとでも、事業に関連した費用が発生することがあります。
それは廃業後であっても「経費」として申告することができることを知っておきましょう。
すると、翌年からの税金を抑えることができますので、お得です。
《追記》新型コロナウイルスの煽りを受けて対応に迫られている方へ
2020年、新型コロナウイルスによって廃業を余儀なく迫られた方も多いのではないでしょうか。
未曾有の事態に対応するために、筆者は「個人が助け合える共依存関係」が不可欠と考えます。
オンラインでスキルを共有できるココナラは、使命感を持ってそのお手伝いをさせていただきます。
こちらの方は、個人事業主のために、給付金のご相談などを受け付けています。 是非、利用してみてはいかがでしょうか。
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まとめ
個人事業主の廃業について、廃業前の対応策から速やかな廃業手続きまで網羅的に解説してきました。
何事においても、始まりがあれば終わりがあり、終わりがあれば始まりがあるもの。
廃業をした個人事業主の方にとって、「廃業の受け止め方」は将来の過ごし方で、如何様にも変わるはずです。
これからのご活躍を応援しています。