個人事業主になる方、あるいは青色申告で確定申告がしたい方は開業届を提出しましょう。開業届は、原則「自宅住所を管轄している税務署」とされています。この記事では、職場近くの税務署に申告したい方や、開業届の提出方法、更には開業に先立って提出が必要な書類についてご紹介しています。
開業届の提出先は税務署!職場近くの税務署に出すのはあり?
個人事業主になる方は、税務署に開業届を提出する必要があります。
こちらでは、個人事業主になる方が開業届をどこの税務署に出すべきかご紹介しています。
開業届の提出先は原則「自宅住所を管轄している税務署」
開業届の提出先は原則、自宅住所管轄の税務署。
ちなみに、自宅住所管轄の税務署は国税庁の公式HP「税務署の所在地などを知りたい方|国税庁」から調べることができます。
自宅近くに税務署があったり、既に税務署の場所を把握している方も、一度は国税庁の公式HPで税務署の場所を確認することをおすすめします。
なぜならば、自宅管轄の税務署が「自宅からの近さ」だけで決まるとは限らないからです。
例えば、人口が密集している新宿区には、1つの区に「新宿税務署」と「四谷税務署」の2つが存在する場合もあるので注意が必要です。
職場近くの税務署(自宅管轄以外の税務署)に提出するのはあり?
このように思っている方もなかにはいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、事務所の住所を管轄する税務署の判断で、開業届を受け取っていただける場合があります。
国税庁の公式HPで事務所の住所を管轄している税務署をお調べの上、まずは電話でご相談してみることをおすすめします。
自宅と職場が離れている、だから職場近くの税務署に提出したい気持ちもわかりますが、そもそも提出方法として郵送という手段もあります。
それでも、職場近くでいつでも相談ができる距離の税務署が良い、あるいは郵送ではお金がかかるというような特別な状況にある方が、お問い合わせする方がいいかもしれません。
税務署の方に相談するにしても、その方が受け取っていただける確率は高いでしょう。
税務署に開業届を持参するメリットとは
個人事業主になる方は、従業員を雇わずに個人で活動されていることも多いです。
本業だけでなく、事務作業も一人で行っていると、開業届を税務署に持参して提出する時間がないというケースも容易に考えられます。
ただ、それでも持参をするメリットがあると筆者は考えています。
まず1つ目のメリットが、各種届出書の相談に乗っていただけること。
税務署には色んな書類について解説されている小冊子も充実していますし、確定申告時期などの「繁忙期」でなければ対面での相談にも満足いくまで乗ってくださいます。
個人事業主になる方は「開業届」だけを提出すればいいわけでもありません。他の書類についても税金のプロにまとめて相談できるのは大きなメリットですよね。
もう1つのメリットが、開業届など提出する書類に多少の不備があった場合、その場で修正することができる点です。
その点、郵送で提出する場合は、もしミスが発覚した場合、再送が必要になってしまうので少々面倒です。
結果として、持参する方が時間が少なく済むかもしれないということです。
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開業届の提出方法
個人事業主になる方は開業届を、原則自宅管轄の税務署に提出しなければなりません。
そして、税務署に開業届を出す方法は3つあります。
- 税務署に開業届を直接持参する
- 税務署に開業届を郵送する
- 税務署の時間外収受箱(備え付けのポストのようなもの)に投函する
【開業届の提出方法①】税務署に開業届を直接持参する
個人事業主になる方の基本的な開業届の提出方法が、直接税務署に持参するやり方。
税務署に提出しにいく際の持ち物は、
- 印鑑や筆記用具(念の為)
- マイナンバーがわかるもの(写真付きである方が望ましい)
- 身分証明書(運転免許証、またはパスポート)
- 開業届(控えも用意する)
があれば十分です。
マイナンバーカードが写真付きである方が望ましい理由は「身分証明書」代わりになるから。
もし、写真付きのマイナンバーカードを持っていないなら、写真のついていないマイナンバーカードと、運転免許証やパスポートなどの身分証明書を持参すればOKです。
税務署の開庁時間は基本的に8時30~17時00分で、土日祝日は閉庁しているのが原則です。
現在は新型コロナウイルスの影響もあるかと思いますので、開業届を税務署に持参する前に一度、お近くの税務署の開庁時間を調べてみましょう。
▽近くの税務署を探す
税務署の所在地を知りたいかた
個人事業主向け
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【開業届の提出方法②】税務署に開業届を郵送する
開業届は郵送による提出も可能です。
こちらは、「平日が忙しくて土日しか空いていない方」や「開業届の提出が間に合わなそう」という方におすすめ。
郵送するには、封筒の用意や、封筒に書く宛名など、必要な準備が持参よりも増えてしまいます。
丁寧な準備を心がけましょう。
【開業届の提出方法③】税務署の時間外収受箱に投函する
最後にご紹介するのは、税務署の時間外収受箱に投函する方法。
「平日は忙しいから郵送を検討しているけど、郵送にかかるお金はもったいない!」と思っている方におすすめです。
とはいえ、無料で投函できるわけではありません。
郵送の場合と同じように、身分証の写しや返信用封筒を同封するのにお金がかかります。
郵送代だけでも良いから浮かせたい!という方は検討してみてください。
「控え」は無くさずに大切に保管!開業届の再発行ってできるの?
これまで開業届の3つの提出方法についてご紹介してきましたが、開業届を税務署に提出すると「控え」が返ってきます。
開業届の控えは、自宅で大切に保管しておきましょう。
開業届の控えは、個人事業主であることの証明になるので、銀行から融資を受けたり、クレジットカードの発行をしたり、屋号名義の銀行口座を開設したりするときに提示が求められることがあります。
ちなみに、
- 持参した場合はその場で返却
- 他の提出方法でも1週間以内に返送されます
もし、返送が遅れているようでしたら一度問い合わせてみてもいいかもしれませんね。
【開業届を無くしてしまった場合】再発行はできる?
個人事業主の方で開業届の控えを無くしてしまった場合も、再発行をすることは可能です。
ただ、再発行の手続きには、税務署に「個人情報の開示請求」を行う必要があり、その際手数料もかかります。
加えて、再発行までは1ヶ月程度の時間がかかってしまうことも考えると、やはりなるべく無くさないように大切に保管しておくのがおすすめです。
併せて提出したい書類まとめ
開業届と一緒に税務署に提出しておきたい書類をご紹介します。
①青色申告承認申請書
開業届を提出するメリットのひとつに「青色申告ができる」というものがあります。
青色申告をすると、最大で65万円の節税効果を見込めるからです。
そんな青色申告ができるようになるには、開業届を出した後に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
いっそのことなら、開業届と一緒に提出できると良いですよね。
▽書類の取得はこちらから
[手続名]所得税の青色申告承認申請手続|国税庁
②青色事業専従者給与に関する届出書
自分の親族を事業専従者(会社でいう役員のような存在)にすることで、さらに大きな節税効果を見込むことができます。
そこで、求められる書類こそ「青色事業専従者給与に関する届出書」。
こちらを税務署に提出することで、専従者の給与を経費にすることができます。
▽書類の取得はこちらから
[手続名]青色事業専従者給与に関する届出手続|国税庁
③源泉所得税に納期の特例の承認に関する申請書
個人事業を始めると、源泉所得税を毎月税務署に納付する必要があります。
個人事業主の方ににとっては、少ない従業員を抱えながら大変な作業です。
そこで従業員が9人以下の場合に限り、「源泉所得税に納期の特定の承認に関する申請書」を提出すれば、半年に一回の納付で完了できるようになります。
金銭的なメリットがあるわけではありませんが、時間的メリットは大きいはずです。
▽書類の取得はこちらから
[手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁
ですが、こちらの書類は開業届と併せて提出することができません。
それは、開業届の提出先である税務署とは異なる場合が多いから。
こちらの書類は、基本的に店舗や事務所を管轄している税務署に提出しましょう。
▽書類の取得はこちらから
[手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出|国税庁
まとめ
開業届は税務署に提出するものですが、「税務署に行き慣れている」という方は多くないでしょう。
つまり、ほとんどの方が初めて行く税務署に初めて書く開業届を提出しようとしているのです。
ですから、わからないことがあるのは当たり前。
税務署の方はラッシュ時を避ければ、基本的にはどんな相談でも乗ってくださいます。
一緒に開業届を書いてみるのも良いですし、対面での質問に緊張してしまう方はココナラのオンラインチャットを利用してみてはいかがでしょうか。
「自宅から遠いオフィスや事務所で日中のほとんど過ごしているために、自宅住所を管轄している税務署に提出するのが難しい、出来れば職場近くの税務署に提出したい」