開業届や確定申告書には「屋号」を記入する欄があります。個人事業主にとって屋号とは、法人の会社名にも相当するもので、どう考えるか迷ってしまった方も多いはず。こちらでは、屋号とはなにか、そして名付ける3つの考え方を事例と一緒にご紹介。後から変更する際の手続き方法についても解説します。
目次
個人事業主にとって屋号とは?
個人事業主になる方は、屋号を手にすることができます。
屋号は、開業届や確定申告に記入欄がありますので、該当欄に記入するだけで手続きは完了です。
一方で、個人事業主における「屋号」の存在は、法人でいうところの「会社名」に相当するとも言われています。
実は、個人事業主にとって重要性の高い屋号がどういうものなのか、基礎知識をまとめました。
屋号とは「個人事業の名前」のこと
個人事業主の屋号とは「個人事業の名前」のこと。
個人の方が個人事業主として仕事をしている際に使用できる商業上の名前とされています。
(参考:【確定申告書等作成コーナー】-屋号・雅号の入力について)
ちなみに、屋号に近しい意味の言葉で「商号」もあります。
商号をわかりやすく説明すると、法的な手続きで認められた屋号のことで、会社名がその際たる例です。
個人事業主が屋号を獲得するメリット
個人事業主の方が屋号を獲得するメリットは2つあります。
【メリット①】信用の獲得
屋号は法人か個人事業主しか持つことができませんので、一定の信用が付与されています。
つまり、屋号を示すことで「自分は開業届を出した個人事業主である」とアピールできるのです。
ビジネスの根幹に「信用」がある以上、このメリットは大きな価値を持つと考えられます。
【メリット②】あらゆる契約ごとを屋号で済ますことができる
個人事業主としての仕事に関わる全ての契約ごとに「自分の本名(フルネーム)」を使うことにプライバシーの観点で抵抗感を感じる方もいらっしゃるかもしれません。
その点、屋号を獲得することで、以下に記載されたようなことができるようになります。
- 屋号名義の銀行口座が開設できる
- 屋号名義のクレジットカードを発行できる
- 屋号名の判子で商品の受け取りを済ますことができる
- 請求書や領収書に屋号を使用することができる
よくある「屋号」の例
ここでは、よくある「屋号」の例についてご紹介しています。
国税庁の定める定義などを聞いても、抽象的でよく分からない……という方も多いはず。
大きく、①店舗系、②事務所・クリニック系、③その他でまとめてみました。
店舗系
- 「〇〇屋」
- 「〇〇堂」
- 「〇〇工房」
- 「〇〇本舗」
- 「〇〇ベーカリー」
事務所・クリニック系
- 「〇〇事務所」
- 「〇〇オフィス」
- 「〇〇スタジオ」
- 「〇〇制作」
その他
ペンネームでライターをしている方は、そのペンネームを屋号にしても良いでしょう。
他にも、個人名で仕事をしている方は個人名を屋号にするのもあり。
旧姓の名前を屋号にしておけば、結婚したあとも同じ名前で仕事を続けることができます。
【個人事業主】屋号に対するよくある疑問
1. 屋号は複数持つことはできる?
例えば、個人事業主の方で、例えば「ライターをやりつつ、webデザインをやられているな」ど、複数の職業をお持ちの方も多いかと思います。
複数の事業を掛け持ちしている場合、事業の一つ一つに屋号を持つことができます。
一応注意点として、確定申告の際には複数の屋号をまとめ上げた、いわゆる「ホールディング化」したような名前を記入する必要がございますが、普段のビジネス上では複数の屋号を使って仕事をすることができます。
2. 屋号なしで開業届を提出するのはあり?
個人事業主が持つことのできる屋号、それは法人の会社名にも相当する価値の高いものではありますが、それでも人によっては「屋号なしで構わない」という方もいらっしゃるかと思います。
そのような屋号が必要ない方は、屋号を持つ必要はありません。
3. 屋号の変更はできる?
屋号の変更をすることはできます。
屋号の変更は、次の確定申告書に新しい屋号を記入するだけで完了です。
一方で、ビジネス上では苦労する可能性もあるので慎重になる必要があると考えます。
お付き合いしているお客様に連絡のお手紙を書く必要があるかも知れませんし、そもそも相手に覚え直してもらう労力もかかります。
また、オリジナルのHPなどを開設していたとしたら、ドメイン名を変えるのも一苦労。
個人事業主が屋号を変更する際には慎重になるのがおすすめです。
【個人事業主の屋号】開業届や確定申告書に書くコツ3選
個人事業主の方が屋号を考えるとき、どんな名前を付けようか迷ってしまった方もいるのではないでしょうか。
法人にとっての会社名を考えるようなものですから、迷うのも当然です。
そこで、こちらでは個人事業主になる方が屋号を決める際に参考になるような考え方のポイントをご紹介します。
そもそも「良い屋号」とはなにか
個人事業主が名付ける屋号を考える際に大切なことは「良い屋号」について答えを持っておくこと。
何が良い屋号か決めておくことで、考えがまとまりやすいからです。
そして、良い屋号の考え方の一つに「わかりやすさ」があると考えます。
屋号はわかりやすくなければ、聞いた人の記憶(覚えやすさ)には残りません。
覚えられない屋号に愛着が湧くことはありません。
わかりやすい屋号であることが何よりも重要であると筆者は考えます。
そこで、こちらではわかりやすさについて、
- 読みやすさ
- イメージのしやすさ
- オリジナリティ
の3つに整理してご紹介します。
ぜひ、お客様にとってわかりやすい屋号にするための参考にしてみてはいかがでしょうか。
1. 読みやすさ
個人事業の屋号は「読みやすさ」がまず大切です。
読みやすい屋号には、発音しやすく、かつ長すぎないことが求められています。
発音しやすいと読みやすい
屋号には、アルファベットや数字を使っても全く問題ありません。
ただ、発音のしにくい英語や、他の言語を使った屋号では読めない方が出てくることも。
名付け親として、思いを込めたい気持ちも分かりますが、お客様にその思いが伝わらないのは勿体無いですよね。
屋号は読みやすさ、そのために発音のしやすさを意識しましょう。
長すぎない方が読みやすい
屋号が長すぎると、最後まで読んでくれない可能性があります。
あえて、省略することを想定して作るのもありですが、省略されて意味が伝わらないのは元も子もありません。
また、屋号の印鑑を作る際も、長すぎた名前は結果としてバランスが悪くなってしまうことが想像できますよね。
2. イメージしやすい
個人事業主の屋号はイメージしやすいことも重要です。
極端な例を挙げると、「〇〇ベーカリー」という屋号で、歯医者を営んでいるとは想像がしにくいはず。
「ベーカリー」と聞けば、もちろんパン屋さんをイメージしますよね。
このように、イメージのしやすさは分かりやすさに大きく影響すると言って良いでしょう。
イメージのしやすさは「業種」だけではありません。
「五反田〇〇」など場所をイメージさせるのも、分かりやすさのひとつ。
単にイメージしやすい言葉を探すのではなく、何をイメージしてもらいたいかを考えることから始めることが大切です。
ラーメン激戦区でラーメン屋を出すのであれば、「ラーメン」をイメージさせるよりは「どんなラーメンか」とか「その店の特徴的な味付け」とかをイメージできた方が良いですし、地域で一店舗の花屋さんであれば、その地域名を入れた方が良いでしょう。
3. オリジナリティ
個人事業主の屋号で最後に大切なポイントは「オリジナリティ」です。
読みやすく、かつイメージがしやすくても、似たような名前がたくさんあると埋もれてしまいますから、その意味で分かりにくいです。
ですので、思いついた屋号は、インターネットで調べて似たような屋号が他にないか確認しておきましょう。
なかには、法的に訴えられてしまうのでは……?と気にされている方もいるかも知れませんが、多少似ている程度であれば問題ありません。
他の屋号の調べ方
法務局では無料で屋号の調査ができます。
ぜひ、下記リンクより調べてみてください。
法務省:オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について
屋号には相応しくない(付けてはいけない)名前も存在します。
まず、「〇〇株式会社」のような本来、法人格を持っている組織に使う名前を個人事業主の屋号として使用するのはNG。
次に、「〇〇銀行」や「〇〇証券」など法律で決められた「特定業種名」をつけることもいけません。
誰かに相談するのもあり
ここまで、屋号の考え方について色々ご紹介してきましたが、大切な名前だからこそ、「他人の意見」は大切だと感じます。
なぜなら、屋号は「伝えること」よりも「伝わること」の方が大切だから。
伝わったかどうか確認するには、自分以外の誰かに頼まないと絶対にできません。
そこで、周りの友人に聞くのも良いですが、名付けのプロに気軽に相談できるならその方が良いかも知れません。
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まとめ
個人事業主の屋号について、その大切さから、名付け方のポイントまでご紹介してきました。
繰り返しになりますが、屋号とは法人の社名に相当すると言われているほど、公的な存在。
そして、法人にとって社名とは、創業者が役員と顔を付き合わせ、真剣に考え抜いて生まれた結晶のようなものです。
それほど大切な存在と同等な「屋号」ですから、そもそも考えるのが大変なのは当たり前のように感じます。
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個人事業主が知っておきたい知識まとめ
個人事業主さんが絶対に知っておきたい知識は、屋号の他にもまだまだたくさんあります!
詳しくまとめている記事をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
開業届を出す前に知っておきたいことまとめ
個人事業主は屋号を複数持つことができます。